奈良芸術文芸サロン|歴史観光の佐保山茶論

奈良芸術文芸サロン|歴史観光の佐保山茶論
催し情報
 
施設案内
催し情報
 
午後のヴェルサイユ・クラヴサン絵巻 (2014.4.5&4.6 終了)
主催:佐保山茶論 後援:奈良県・奈良市

〜太陽王ルイ14世からマリー・アントワネットまでの時代〜

フレンチ・チェンバロ 中野振一郎


世界的チェンバロ奏者中野振一郎が、二日連続のコンサートでフランス・クラヴサン音楽の歴史を、その時代を追ってのチェンバロの演奏に軽妙で洒脱な解説を交えて紐解いた。※チェンバロは独語の呼び方で、仏語ではクラヴサンと呼ばれています。




演奏会で使用されたチェンバロは、ウィリアム・ダウドが1976年に製作したフレンチ・チェンバロ(チェンバロ奏者 井幡万友美氏所有)。
「楽器はフレンチタイプ2段鍵盤のブランシェモデルです。1976年に今は亡きドイツの名チェンバリスト、ピヒト・アクセンフェルト女史のためにDowd氏と彼の弟子のNagel氏によって製作されました。女史は生前この楽器での録音を多数されています。CDジャケットのいくつかにはこの楽器が写っています。ちょっと余談ですが・・・楽器メンテナンス時に楽器を解体するのですが、鍵盤を引き出した部分にこの楽器のヒストリーが手書きで書き込まれて行きます。例えば[1967年にアクセンフェルト女史のために製作]とか[○○年にアクセンフェルト女史の依頼によりメンテナンス]とか・・・。」(井幡万友美 談)

     

お客様アンケートよりご感想


●中野氏の演奏は大きな会場で聴いたことがありましたが、弦の振動が伝わるほど間近で大迫力でとても良かったです。前半の重厚な音色から後半の甘くつややかな音色まで堪能させていただきました。桜のトンネルをぬけて茶論で優雅なコンサート。本物のウグイスもとび入りで歌ってくれたのもうれしかったです。

●誘うような言い回し、軽妙なおしゃべり、毒のあるフレーズ、嘘のような本当のような、笑えてくるような、泣けてくるような色々な感情や言葉が聴こえてくる、そういう意味でゴージャスな音楽でした。この時代の音楽は香水のようにその場に香り消えて行くもの、とおっしゃられていましたが、そこがこの時代の音楽の魅力なのでしょう。芸術というよりもっと人間くさいもの、近年大きいホールで聴くことが多くなったコンサートですがこんな間近で、奏者の表情や体の動きや息使いまでわかることはサロンならでは、ですね。楽しかったです。

●後半のあまいやさしい曲には心が落ち着いてなごまされました。中野さんの楽しいお話し、曲についてわかりやすく説明して下さったのが良かった。

●至近距離で親近感が湧きました。マイク・スピーカーなしの本当の「生」が最高でした。建物も情緒があります。

●素晴らしい演奏で、演奏曲全てが良かった。パーフェクト。

●お話しもとても楽しくステキでした。

●緑の中の文字通りサロンでウグイスの声も時折聞こえる中でサロン音楽の典型のチェンバロを間近で聴かせて頂き心地よく楽しませて頂きました。ぜいたくな音楽会と思います。

●演奏者と近く解説も良かった。春のお庭から差す光のもとで聴けて良かった。

●コンサートホールで聴くより音楽の実在感が強く感じられるのが良いです。解説を交えての演奏であったのも良かった。

●中野さんのユニークなお話しの中、笑いがありその時の貴族の様子がとっても解りやすく説明して頂き良かったです。曲の合間にウグイスがチェンバロに合わせたように鳴いていてとっても自然でした。またすてきなこの時間を楽しみにしています。

●奈良で緑の木々に囲まれた自然のサロンに出会えてうれしく思いました。Salonの空間に相応しいしつらえで、これからも音楽のみでなく様々な文化的プログラムも組み入れて下さることを望みます。

●こじんまりしたサロンでの演奏会で素晴らしかった。

●チェンバロ、木管楽器の演奏はこのサロンの空間に似合うものと思える。

●話しも面白く興味はつきない。中野氏の演奏は最高に心にしみてくる。久しぶりにゆったりとした時間が持てた。

●中野さんの魅力が存分に出されたコンサートでした。当時のサロンの様子を再現したような音楽が今後も企画されれば良いと思います。

●このような近くにこんな素敵なサロンがあったことを知り、とてもうれしかったです。著名な演奏家がとても気さくにお話しをされ、間近で演奏を聴けるとは何ともぜいたくな時間と空間でした。ぜひ、さまざまな企画を続けて催して下さいますようお願い申し上げます。



プログラム

4月5日(土)

〈クラヴサン楽派の誕生〉

●L.クープラン(1626〜1661)
パッサカイユ ハ調

●J.H.ダングルベール(1629〜1691)
組曲 ト短調
プレリュード/アルマンド/クーラント/サラバンド/ジーグ

●L.クープラン
組曲 イ短調
フローベルガー氏に倣ったプレリュード/アルマンド/ミニョンヌと呼ばれるクーラント/サラバンド/ピエモンテーズ

〈ポンパドゥール夫人のサロン〉

●J.Ph.ラモー(1683〜1764)
「優しい訴え」ニ短調

●F.クープラン(1668〜1733)
第14オルドル ニ調より
「恋のうぐいす」「おびえる紅ひわ」「シテール島のカリヨン」「ささいなこと」

●A.フォルクレ(1671/72〜1745)
第1組曲 ニ短調より
「ラボルド」「フォルクレ」「ベルモン」「ポルトガルの女」


4月6日(日)

〈ポンパドゥール夫人のサロン〉

●F.クープラン(1668〜1733)
「葦」(第13オルドル ロ短調より)

●F.クープラン
第17オルドル ホ短調
「尊厳、またはフォルクレ」 「小さな風車」 「鐘」 「クーラント」 「バニョレの乳しぼりの少女たち」

●A.フォルクレ(1671/72〜1745)
第5組曲 ハ短調より
「ラモー」 「シルヴァ」 「ジュピター(ゼウス)」

〈革命前夜〉

●J.デュフリ(1715〜1789)
メヌエット ニ調

●J.デュフリ
「アルマンド」 「ドゥ・ブロムブル」 「三美神」…以上、ニ調

●C.B.バルバトル(1724〜1799)
「マルゼルブ」イ長調 「クールテイユ」ハ長調 「シュザンヌ」イ短調



□プロフィール 

中野振一郎 Shin-ichiro Nakano チェンバロ
 京都生まれ。1986年桐朋学園大学音楽学部の演奏学科(古楽器専攻)を卒業。90年に大阪で開催した4回連続の独奏会「ヨーロッパ・チェンバロ音楽の旅」により「大阪文化祭・金賞」等を受賞。翌年にはフランスの「ヴェルサイユ古楽フェスティバル」のクープラン・サイクルに日本代表として参加、ケネス・ギルバートやボブ・ファン・アスペレンら欧米を代表する名手と肩を並べ、「世界の9人のチェンバリスト」の一人に選ばれた。92年、「バークレー古楽フェスティバル」へ最年少の独奏家として招かれる。93年にはロンドンのウィグモア・ホールでデビュー・リサイタル。94年、サイモン・スタンデイジ(Vn)との二重奏を含む3回連続の演奏会「チェンバロ三夜物語」を東京で開催。99年2月のドイツ招聘演奏旅行ではコレギウム・ムジクム・テレマンを率いて見事に聴衆を沸かせ、ソリストとしてだけではなく、オーケストラの音楽を構成するディレクターとしての魅力をアピールした。2003年、ライプツィヒでの「バッハ・フェスティヴァル」に出演し、ソロ演奏会およびコレギウム・ムジクム・テレマンとの共演で高い評価を受けた。2004年のドイツでのリサイタル・ツアーは「“例外”のチェンバリスト」「耳のご馳走」など、地元紙から絶賛された。また、C.P.E.バッハの作品を集めたリサイタルにより「平成16年度文化庁芸術祭・大賞」を受賞。
 CD録音にも積極的で、これまでに日本コロムビア、マイスターミュージック、若林工房などから多数のアルバムをリリース。その多くが高い評価を受けており、2000年発売の「バッハ:ゴルトベルク変奏曲」が「2000年度レコードアカデミー賞(録音部門)」、2009年発売の「女王の祭壇 〜パーセル作品集」が「2009年度レコードアカデミー賞(音楽史部門)」に輝く。日本が世界に誇るチェンバロ奏者としてその地位を不動のものとしている。

中野振一郎公式サイトはこちら

 

ページトップ
Copyright 2008 Sahoyama Salon All Right Reserved,
 

ホームページ制作|作成 京都のWEB会社 by ホームページ